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外国人材採用ノウハウ

特定技能ドライバーの国別比較5カ国の採用条件

2026.09.11 公開読了目安 10分
監修: 株式会社ドラビザ 代表取締役 羽田 健太
有料職業紹介事業・登録支援機関として外国人ドライバーの採用と定着を支援

特定技能ドライバーの採用国は、送出手続き、試験、免許取得の工程で比較します。共通して必要な現地手続きと教育を押さえ、候補者ごとに未完了の工程を確かめます。

国ごとの費用の差より、稼働までに残る工程と自社の教育負担で判断します。採用国を絞る前に、乗せる車両と稼働希望日を決めます。インドネシア、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、ベトナムの条件を比べます。対象は、一定の技能を持つ外国人が運送の仕事に就く在留資格、特定技能1号「自動車運送業分野」です。トラック分野で初めて外国人を採用する会社が対象です。

5カ国の基本データと在留実績

2025年12月末の自動車運送業分野の在留人数は、5カ国で0〜52人です。候補者の能力は、人数とは別に試験結果と運転経験で評価します。

人口・言語・宗教の概況

外務省の各国基礎データを基に整理しました。人口の集計年は国によって異なります。宗教は主な構成を示しており、個人の食事や礼拝の希望は別に聞きます。

国・人口

言語

主な宗教

インドネシア:約2.79億人(2023年)

インドネシア語

イスラム教87%、キリスト教10.4%など(2023年)

スリランカ:約2,192万人(2024年)

シンハラ語・タミル語。英語は連結語

仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教

バングラデシュ:約1億7,568万人(2025年)

ベンガル語

イスラム教91.04%、ヒンドゥー教7.95%など(2022年)

パキスタン:2億5,127万人(2024年)

国語はウルドゥー語、公用語は英語

イスラム教96.4%、ヒンドゥー教1.6%など(2023年)

ベトナム:約1億30万人(2023年)

ベトナム語

仏教、カトリック、カオダイ教など

スリランカの宗教欄は2026年7月更新、ベトナムは2024年11月更新の外務省ページによります。通訳や説明資料の言語は、候補者が理解できる言語に合わせます。

在留者全体と運送分野を分けて見る

次の表は出入国在留管理庁の統計です。左側の人数は2025年6月末の全在留資格、右側は2025年12月末の特定技能1号の速報値です。時点が違うため、この表から構成比は計算しません。

在留者全体

特定技能1号全分野/うち自動車運送業

インドネシア

230,689人

86,523人/21人

スリランカ

73,067人

3,973人/6人

バングラデシュ

40,045人

826人/1人

パキスタン

32,478人

11人/0人

ベトナム

660,483人

158,497人/52人

運送分野の人数にはタクシー・バスも含まれます。パキスタンの0人は、この時点での在留実績であり、受け入れ禁止を意味しません。紹介を依頼する企業は、国全体の人数に加え、紹介元の運送分野での支援経験を確認します。

送出機関と現地試験にはどんな違いがあるか

海外から新たに採用する場合、5カ国とも現地の登録・出国手続きが必要です。送出機関(海外就労を仲介する機関)の「任意/必須」は制度上の区分で、採用の容易さの順位ではありません。

送出機関が任意でも現地登録は残る

5カ国とも、日本と特定技能の二国間協力覚書(MOC)を交わしています。不適切な仲介などへの対応で協力する枠組みです。送出機関の利用条件と現地手続きを同じ表で確認します。

送出機関の利用

現地側の確認先・手続き

インドネシア

職業紹介事業者P3MIの利用は任意です。

政府の海外就労管理システムSISKOP2MIで登録手続きを確認します。

スリランカ

政府認定機関の利用は任意です。

海外雇用局SLBFEへの出国前登録が必要です。

バングラデシュ

任意ですが、利用する場合は政府認定機関に限ります。

人材雇用訓練局BMETへの登録と出国許可を確認します。

パキスタン

認定送出機関OEPの利用は任意です。

移住者・海外雇用局BEOEで、直接雇用・機関経由それぞれの登録手続きを確認します。

ベトナム

海外からの新規採用では必須です。

認定機関との労働者提供契約と、現地手続きの完了を示す推薦者表の承認が必要です。

ベトナムの推薦者表は、内務省海外労働管理局DOLABが承認します。すでに日本にいる人の採用は、新規入国とは扱いが異なります。国内採用にこの表をそのまま当てはめず、在留資格と申請内容から必要書類を判定します。

評価試験は4カ国が2025年、ベトナムは2026年に受付開始

自動車運送業分野特定技能1号評価試験は、運送の知識と技能を確認する試験です。会場のコンピューターで受けるCBT方式は、ベトナム以外の4カ国で2025年3月3日に受付を開始しました。ベトナムは2026年4月1日開始で、大使館は翌2日以降の日程を選べると案内しています。

現地のDOLABも、2026年3月にハノイ・ホーチミン・ダナンでの試験予定を告知しています。試験会場と空席は申込時点で本人が照合します。現地試験の開始が早い国ほど、在留実績が多いとは限りません。ベトナムの52人は現地CBT開始前の統計です。時期を照らすと、国内会場や他国会場での受験など、現地CBT以外の経路で資格を得た人と考えられます。個々の受験国は統計から分かりません。

トラックの日本語要件は、日本語の理解力を測る日本語能力試験(JLPT)のN4以上などです。国際交流基金日本語基礎テスト(JFT‑Basic)を使う場合は、A2.2(A2)の判定、総合得点200点以上が必要です。得点と日本語水準を記した判定結果通知書で確認します。

JFT‑BasicとJLPTは別の試験です。JFT‑Basicの2025年6〜7月の実施都市は、インドネシアがジャカルタなど8都市です。スリランカはコロンボ、バングラデシュはダッカ、ベトナムはハノイ・ホーチミンでした。パキスタンはこの回の一覧にありません。日本語能力試験の公式一覧にはイスラマバードとカラチが載っています。

開催都市は過去の実績です。候補者には各試験の公式サイトで最新の会場・日程を確認してもらい、予約した受験日を基に採用日程を組みます。

免許・現地情報を採用計画に反映する

外国免許を日本の免許へ切り替える手続きを、外免切替と呼びます。5カ国とも交通ルールの知識確認と運転技能の確認を受ける必要があります。免許取得後にその国で通算3か月以上滞在した証明も必要です。

通行方向と免許区分を照合する

5カ国とも、日本の標識・交通ルールと交差点での安全確認を教えます。インドネシア、スリランカ、バングラデシュ、パキスタンは日本と同じ左側通行です。右側通行のベトナムで運転していた人には、左側通行に慣れるための右左折・車線選択の練習も組みます。

現地の貨物車免許の例

日本の区分と比べる際の注意

インドネシア

BI系は許容総重量3.5t超の貨物車などです。

準中型・中型・大型にまたがり、営業用の区別もあります。

スリランカ

C1は総重量17tまでの貨物車を含みます。

日本の大型に当たる車両も含むため、C1を準中型と訳せません。

バングラデシュ

職業用に軽量・中型・重量の区別があります。

中型という名称だけで日本の中型と同じ範囲とは判断できません。

パキスタン

シンド州のHTVはトラック・バス等を対象とします。

日本の大型との同等性を示すものではなく、発行州も照合します。

ベトナム

新C1は設計上の総重量3.5t超〜7.5t以下です。

日本の準中型は7.5t未満で、重量の境界が異なります。

表は現地当局の案内と日本の車両基準の比較です。バングラデシュ・パキスタンは、参照した公式資料に重量区分の明記がないため定性表記にしています。切替後の区分は個別に審査されます。企業は免許証の区分・発行日と、実際に運転した車両の総重量・積載量を確認します。取得工程は外国人ドライバーの免許取得ルートに整理しています。

現地情報から分かる書類・費用の注意点

インドネシア政府のSISKOP2MIの公開資料によると、日本向け特定技能の個人送出には家族の許可書等を求めます。スリランカのSLBFEも、本人が直接見つけた海外の仕事について出国前登録を案内しています。仲介を省く場合も、本人が現地書類をそろえる日程が必要です。

バングラデシュの海外雇用・移民法2013年第21条は、政府による移住費用の上限設定を定めています。ただし、条文自体には金額がありません。現地費用を比較する際は、紹介元に適用規定、費目、企業負担、本人負担を分けた書面を求めます。

ベトナムのフート省の公的就業サイトには、バス運転手の月給1,200万〜1,500万ドンという求人例があります。月25日勤務で、2026年5月31日締切の終了済み募集です。全国相場やトラックの平均賃金としては使えません。日本での報酬は、同じ業務の日本人と同等以上に設定します。

生活面の調整と採用判断の順序

休暇の相談では、インドネシアの断食明けの祝日や、スリランカの4月の新年が日程確認の手がかりになります。信仰や帰国希望は国籍から決めつけません。食事・礼拝の配慮を望む人とは、食材、休憩時間、使える場所を相談し、断食をする場合は点呼で体調を確認します。送金を希望する人には、手数料と利用手順が分かる案内を用意します。

  1. 募集前に、会社として車両・稼働希望日・教育担当を決めます。企業要件は特定技能ドライバーの受け入れ要件と照合します。
  2. 面接で、企業は試験結果、免許、運転経験を確認します。点呼での報告や遅延連絡も日本語で再現してもらいます。
  3. 契約前に、人事は紹介元と免許取得先から費用・日程を集めます。未合格・免許取得の遅れが出た場合の再受験、追加費用、配車変更の担当も決めます。

この順序で、稼働までに残る工程と自社の教育負担を比べます。トラックの免許準備に使う在留資格「特定活動」は最長6か月で、更新できません。普通免許または準中型免許を取得したら、速やかに特定技能1号への変更を申請します。

免許取得や在留資格変更を見込まずに入国日を稼働日とすると、配車計画が崩れます。具体的な工程は採用から稼働までの流れを参照します。

まとめ

最初の比較資料には、候補者ごとの試験結果、免許、現地手続き、教育担当を並べます。未完了の工程に期限と費用を置くと、希望する配車に間に合うか判断しやすくなります。

よくある質問

採用前に迷いやすいのは、人数の多さ、現地免許、費用の比較です。いずれも候補者の資料と、自社で必要な工程を照らし合わせます。

在留人数の多いベトナムを選べばよいですか

人数だけでは決められません。認定送出機関との契約や推薦者表、左側通行への教育も計画に入れ、候補者の試験結果と運転経験を評価します。候補者ごとに残る工程と教育負担で判断します。

母国の大型免許があれば、日本でもすぐ大型車に乗れますか

日本の必要な免許と在留資格の許可が必要です。国土交通省の案内では、海外の大型相当免許も、まず普通免許へ切り替えてから大型を取得する順序です。免許取得の日程と担当を先に決めます。

5カ国のうち採用費用が安い国はどこですか

同じ範囲の費用を比べないと判断できません。現地手続き、渡航、住居、免許、教育をそろえて見積もりを比較します。内訳は外国人ドライバーの採用費用を参照します。残る工程と教育負担も併せて比べます。

この記事の監修者
羽田 健太はねだ・けんた
株式会社ドラビザ 代表取締役

株式会社ドラビザ 代表取締役。有料職業紹介事業・登録支援機関・一般労働者派遣事業の許認可のもと、外国人材の採用から定着までの支援を行う。

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