
外国人ドライバーは1名から採用できます。初めてなら、1〜2名の受け入れで教育・住居・相談の担当と手順を決め、次の採用につなげる方法があります。少人数でも必要な要件と、4月入社から逆算する年間の採用計画を整理します。
埼玉県の一般貨物運送会社(車両61台)では、2025年6月に2名で受け入れを始め、2026年5月からスリランカ人を加えた5名体制になりました。少人数で開始し、その後に人数を増やした支援事例です。自社の人数と増員の時期は、教育と住居の余力に合わせて決めます。
対象となる在留資格は特定技能1号「自動車運送業分野」で、一定の技能を持つ外国人が運送の仕事に就くためのものです。トラックの採用では、1名でも協議会加入・認証・日本人と同等以上の報酬・支援計画などの要件は同じです。
企業は、受け入れ企業や支援機関が参加する自動車運送業分野特定技能協議会へ加入します。加入期限は在留資格の申請までです。入国後の免許取得に使う準備用の在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」を申請する場合も、その申請までに加入します。認証の要件は、どちらか一つで満たします。一つは職場環境を評価する「運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)」、もう一つは安全性優良事業所を認定するGマーク制度の認定事業所を有することです。募集を始める前に、自社の認証の有無と有効期間を確認します。
生活・就労を支える法定支援は、「1号特定技能外国人支援計画」に内容と実施方法を記載します。企業から委託を受けて支援する登録支援機関に任せる方法もあります。委託先も協議会への加入が必要です。契約上の支援範囲は契約内容によって異なりますが、必要な法定支援は省略できません。
本人については、試験の合格、日本語能力、予定車両の区分に合う日本の免許を確認します。事業の種類を含む詳しい条件は、特定技能ドライバーの受け入れ要件にまとめています。人数を決める段階で、企業側は認証や協議会加入、本人側は試験や免許というように、不足項目を分けて書き出します。
最初の採用では、誰が教え、どこに住み、困ったときに誰へ連絡するかを決めます。1名目で担当と手順を残せば、2名目以降は手配先探しや説明資料の作り直しを減らせます。
次の表は社内の分担例です。各担当欄を実際の氏名に置き換え、兼務する場合も不在時の代わりを決めます。登録支援機関に委託する業務は、同機関の担当者と社内の連絡役を併記する形が考えられます。
分担例 | 担当者が行うこと | 入社前に残すもの |
|---|---|---|
教育の担当 | 教える便と車両を決め、同乗して教える時間を勤務予定に入れます。 | 教育予定表と、単独乗務に進む際の確認項目を残します。 |
住居の担当 | 入居日、鍵の受け渡し、初出勤の移動方法を本人と確認します。 | 住居の手配先、通勤経路、費用負担の一覧を残します。 |
相談の担当 | 仕事・生活の相談先と、本人が理解できる言語での対応方法を決めます。 | 連絡先、不在時の連絡先、未解決事項の記録を用意します。 |
増員の判断には、採用人数に加えて、教育に使える時間と住居の空きを並べます。例えば1名目の同乗教育が続く間に2名目が入るなら、別の教育担当を置けるかが判断材料です。担当を確保できない場合は、次の入社月をずらす案を検討します。
追加採用の費用は、紹介・申請・住居・免許・支援の費目ごとに再確認して見積もります。会社が負担する範囲と支払月をそろえると、2名を同時に迎える場合と時期を分ける場合を比較できます。費目の整理には、外国人ドライバー採用費用の内訳を使えます。
相談から稼働開始までは標準4〜6か月で、入国後に免許を取得する場合はその期間が加わります。4〜6か月は採用支援の工程を基準にした目安です。2027年4月入社を目指すなら、2026年10月中には相談を始めます。免許取得や認証取得が残っている場合は、相談を前倒しします。
下表は4月と10月に入社時期を分ける計画例です。必要な日本の免許を取得し、特定技能の許可を受けてから入社する前提で組んでいます。募集から手続きを進める時期を示しており、試験の開催月や合格時期を示すものではありません。企業は本人や採用支援会社と受験地・予約状況を確認し、免許取得と申請の順序に合わせて予定を動かします。
時期の例 | 4月入社に向けた工程 | 次の10月入社に向けた工程 |
|---|---|---|
前年10〜12月 | 企業が募集・面接を進め、本人の試験結果と免許を確認します。未合格なら、受験予定から入社月の見直しが必要です。 | 10月入社の人数・営業所を企業が仮置きし、教育担当の予定を調べます。 |
1〜3月 | 企業と本人が要件に応じた在留資格申請を進め、企業が住居と教育日程を手配します。 | 企業が募集条件を更新します。免許取得が必要な候補者では、この段階より前から相談する案も選択肢です。 |
4〜6月 | 企業が入社後の教育を実施し、実際の所要時間と住居・相談の課題を記録します。 | 企業が募集・面接を進め、本人は必要な試験を受けます。免許取得が必要な候補者は、取得予定の時期を企業が確認します。 |
7〜9月 | 教育資料を企業が直し、次の入社者を教える担当と時間を確保します。 | 企業と本人が残る申請・免許取得の進捗を確認し、企業が入社予定日を調整します。 |
10〜12月 | 翌年4月の募集を企業が始めます。教育体制と住居も再確認が必要です。 | 企業は追加の入社者についても、前回と同じ項目で教育や生活準備を記録します。 |
入国後に免許を取得する人は、上表にその期間を加えた日程を別に組みます。入国日・免許取得・在留資格変更・乗務開始をそれぞれ予定し、入社日と単独乗務の日も分けて管理します。運送業務は、必要な日本の免許と特定技能の許可がそろってから始めます。申請や免許の取得順序は、外国人ドライバー採用の流れで確認できます。
10月入社の候補を探す段階では、2人目以降を同じ国から採るかも考えます。同じ国から採ると、本人にとっては共通の言語で話せる相談相手ができる可能性があります。採用前に、先に働く人と候補者の使用言語や希望を確認します。国籍だけで関係の良さや定着は予測できません。
教育の負担を同じ営業所へ集中させないために、複数の営業所に分ける案も検討できます。ただし、各営業所に教育担当と相談体制を用意できることが前提です。先に入社した外国人へ通訳や後輩対応を任せる場合も、本人の意思と業務量を確かめ、会社の相談窓口は別に残します。
1名目で担当表・教育予定表・費用一覧を残しておくと、次の採用はその記録を基に人数と入社月を決められます。判断材料は、最初の受け入れで分かった教育時間と住居の状況です。標準4〜6か月はドラビザが支援する場合の工程で、入国後の免許取得期間は別に加えます。
追加採用を決める前に、初回の教育にかかった時間、住居の空き、相談対応の記録を見直します。次も同じ担当と住居で受け入れられるかが判断の基準です。
人数が少ないことを理由に、認証や支援計画などの要件は省けません。外部へ委託する場合も、企業が用意する書類と社内の連絡役を決めます。
社内の手配は進めやすくなりますが、本人の試験・免許・在留資格の手続きは個別です。同じ期間で稼働できると決めず、残る工程から日程を組みます。
教育時間、住居の手配、相談対応のどこに時間がかかったかを確認します。次の募集人数や入社月を見直し、担当の追加や委託内容の変更を検討します。