
特定技能ドライバーの在留期間は、原則として通算5年までです。5年の数え方、更新の時期、その後の選択肢を整理します。他分野で特定技能1号として在留した期間も通算されるため、自社で採用してから5年間働けるとは限りません。
対象は、一定の技能を持つ外国人が運送の仕事に就く在留資格、特定技能1号「自動車運送業分野」です。人事は採用前に過去の在留歴を確かめ、残り期間を教育・配車・次の採用の計画に反映します。以下の制度情報は2026年9月9日時点です。
通算とは、複数の期間を合計することです。特定技能1号では、会社や分野が変わっても過去の期間を合計し、帰国を挟んでも計算をやり直しません。
在留歴・状況 | 通算5年での扱い | 人事の確認事項 |
|---|---|---|
他分野の特定技能1号 | それまでの在留期間も含みます。 | 本人から分野ごとの開始日・終了日を聞き取ります。 |
帰国後に運送会社へ転職 | 帰国前の特定技能1号の期間も含みます。 | 帰国前後の在留資格と出入国日を照合します。 |
特定技能1号で在留中の離職・一時帰国 | 就労していない期間も原則含みます。同じ資格で日本に戻るための再入国許可による出国期間も同様です。 | 勤務していない日を独自に差し引かず、在留歴を整理します。 |
例えば、他分野での通算期間が2年なら、1号で在留できる残りは原則3年です。これは計算例であり、3年間の在留が一度に許可される意味ではありません。社内の検討資料には「1号の通算期間は2年、残りは原則3年」のように記載します。
特定活動は、法務大臣が外国人ごとに活動を指定する在留資格です。入国後に免許取得などを進めるための種類を、特定自動車運送業準備と呼びます。この準備用の特定活動で在留する期間は、特定技能1号の通算5年に算入しません。ただし、特定活動ならどの種類でも算入されないという意味ではありません。
人事は、許可された活動が書かれた「指定書」で、特定自動車運送業準備に該当するかを確かめます。準備期間と1号の期間を別の行に記録すると、入国日から一律に5年と数える誤りを防げます。免許取得中の業務や変更の手順は、特定自動車運送業準備の期間と手続きにまとめています。
産前産後休業・育児休業の期間には、通算から除く扱いがあります。適用には条件と資料の確認が必要です。休業が生じたら必要な届出と資料を確認し、休業記録を基に、地方出入国在留管理局や申請を依頼する行政書士へ適用条件を相談します。
特定技能1号は、更新を重ねて原則通算5年まで在留する資格です。通算5年の枠が残っていても、現在の在留期限を過ぎてそのまま働き続けられるわけではありません。
同じ在留資格で引き続き日本に滞在するための手続きが、在留期間更新許可申請です。更新申請は現在の在留期間が満了する日以前に行います。6か月以上の在留期間がある場合は、満了日の3か月前から申請を受け付けます。人事は本人と申請日を共有し、提出状況を確認します。
管理表には、本人ごとに「現在の在留期限」「1号の通算期間」「上限までの残り期間」を設けます。過去の在留歴に空白がある場合は、未確認の期間として残す必要があります。入管や行政書士への相談時には、在留カード(過去の控えを含む)、特定活動の指定書、旅券の出入国記録をまとめて持参します。過去の申請資料もあれば、許可内容の確認に役立ちます。
更新許可後は、人事が新たな在留期限を確認し、次回の申請予定日を管理表に入れます。雇用契約を更新しただけで在留期間も延びるわけではありません。運行管理者には、配車を検討できる期間と、手続きの結果待ちの期間を分けて共有します。
育成就労は、特定技能1号の水準まで人材を育成する、1号に至る前の段階の制度です。自動車運送業分野には育成就労の設定がなく、今後の追加は未定とされています。同分野への特定技能2号の追加も未定ですが、育成就労を1号で5年働いた人の継続手段には位置づけられません。
5年後も日本で働くには、別の在留資格の要件を満たすかなど、本人の状況に応じた検討が必要です。特定技能2号は、熟練した技能を要する業務に就き、通算在留期間の上限がなく、要件を満たせば配偶者・子の家族帯同が認められる在留資格ですが、自動車運送業分野には設定されていません。
別の資格に該当する活動へ移る場合は、在留資格変更許可申請を行います。申請期間は、変更の理由が生じたときから現在の在留期間の満了日以前です。変更先に応じた申請書・資料が必要で、勤続5年という実績だけで切り替わる制度ではありません。
人事は本人の希望を聞き、変更後に予定する業務を具体的に書き出します。その内容と本人の経歴が、変更先の資格の要件に合うかが判断の基準です。在留資格ごとに認められる活動範囲は異なります。他資格への変更を検討する際は、変更後も配送業務を担当できるかを別途確認する必要があります。資格の名称だけで継続雇用を決めず、申請を行政書士に依頼する場合は業務内容も伝えます。
次の表は、人事が社内日程を組むための提案です。「残り1年」などの時期は法定期限でも審査期間でもありません。制度変更を待つだけにせず、本人の意向と手続きの見通しに合わせて更新します。
社内で設ける時期 | 担当とやること | 判断基準 |
|---|---|---|
採用を決める前 | 人事が本人の在留歴を整理します。 | 残り期間と教育に必要な期間を比較します。 |
通算上限まで残り1年 | 人事が本人と面談し、継続就労・帰国の希望を記録します。 | 別資格を検討するなら、本人の経歴と予定業務をそろえます。 |
残り6か月 | 人事と運行管理者が、変更の検討状況を踏まえて要員計画を見直します。 | 継続の見通しが立たなければ、後任採用と引継ぎの日程を組みます。 |
帰国方針が決まった時点 | 人事が本人と退職・引継ぎ・住居退去・出国の日程を調整します。 | 許可された在留期限内で日程を組み、担当者を決めます。 |
後任を採用する際は、応募者ごとの残り期間も要員計画に記載します。複数名の通算上限が同じ時期に来るなら、引継ぎ担当や募集開始月を分散する案を検討します。募集から配属までの工程は、外国人ドライバー採用の流れを参照します。
社内で共有する資料には、現在の在留期限と通算5年までの残り期間を並べます。5年後の継続就労は、確認済みの要件と未定の制度を分けて説明します。
残り期間は、本人の在留歴と許可内容を基に確認します。転職、更新、継続雇用で混同しやすい点を整理します。
新たな5年の枠は始まりません。他分野での特定技能1号の期間も合計します。帰国を挟んだ場合も同じため、人事は採用前に過去の在留歴を確認します。
残り期間があるだけでは認められません。現在の在留期限までに更新などの手続きが必要です。期限内の申請後に審査が続く場合の扱いは、本人の申請状況に応じて入管へ確認します。
会社の希望だけでは延長できません。原則通算5年を前提に、本人が別の在留資格の要件を満たすかを確認します。運送業への2号追加を前提にした継続雇用の約束は避けます。