
特定活動(特定自動車運送業準備)は、入国後に日本の運転免許取得などを進めるための在留資格です。トラックは最長6か月、タクシー・バスは最長1年で、更新はできません。この記事では、期間中にできる活動と、特定技能への変更時期、人事が管理する日程を整理します。
この制度は、特定技能1号「自動車運送業分野」で働くための準備に使います。特定技能1号は、人手不足の分野で外国人が働くための在留資格です。試験合格と日本語能力の要件があり、在留は通算5年までです。準備用の特定活動で在留する期間は、この5年に算入しません。準備期間中は運送業務に就けないため、人事は入国日と運送業務を始める日を分けて計画する必要があります。
6か月・1年は、準備用の特定活動で在留できる期間の上限です。教習の所要期間は人によって異なり、必要な免許などを取得した時点で変更申請へ進みます。
業務区分 | 在留期間の上限 | 変更申請へ進む基準 |
|---|---|---|
トラック | 最長6か月で、更新不可です。 | 普通免許または準中型免許の取得後、速やかに申請します。 |
タクシー・バス | 最長1年で、更新不可です。 | 第二種運転免許を取得し、新任運転者研修を修了したら申請します。 |
第二種運転免許は、旅客を運送する業務に必要な免許です。タクシー・バスの新任運転者研修には、座学、路上走行研修、適性診断が含まれます。人事は免許取得日だけでなく、研修修了日も工程表に入れます。
海外から採用する場合、本人は運送業務の技能を測る評価試験の合格など、必要な技能・日本語能力の要件を満たしてから入国します。評価試験の正式名称は「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」です。受験には、日本または外国で取得した有効な運転免許が必要です。
自動車運送業分野特定技能協議会は、この分野の受け入れ企業などが参加する組織です。企業は、海外から準備用の特定活動で呼ぶ場合はその申請までに、国内で特定技能へ変更する場合は変更申請までに加入が必要です。国土交通省は、入会届出の内容確認に1か月程度かかる見込みを示しています。
企業の認証や雇用条件なども、準備期間に入ってから整えればよいわけではありません。人事は申請前に、企業と本人の不足要件を洗い出します。認証・日本語水準などの一覧は、特定技能ドライバーの受け入れ要件で確認できます。
準備用の特定活動中は、免許取得のための教習や、車両の清掃といった関連作業への従事が認められます。免許を取得しても、特定技能への変更許可が出るまでは運送業務に就けません。
活動 | 可否と条件 | 企業側の確認事項 |
|---|---|---|
免許取得の教習 | 準備活動として受講できます。 | 人事が教習・試験の予約日と取得見込みを記録します。 |
車両の清掃など | 雇用契約に基づく関連業務として認められます。 | 現場責任者が担当業務を整理し、免許取得の予定と調整します。 |
日本の免許取得後・変更申請中の公道研修 | 研修・教育の一環で、運送業務の性質を持たない場合に限り可能です。 | 運行管理者が免許区分と研修内容を照合します。 |
荷物の配送・旅客の運送 | 準備期間中は従事できません。 | 配車担当者は、変更許可前の本人を配送・旅客運送の要員に組み込みません。 |
国土交通省Q&Aの公道研修に関する説明は、日本の免許を取得し、変更申請中である場面を扱っています。公道を走れるのは、運送業務の性質を持たない研修・教育の場合に限られます。会社の車を使う公道研修も、必要な免許の取得が前提です。
社内の運用例として、教育担当者が研修目的、使用車両、経路、指導者を研修計画に記載します。実際の配送を「研修」と呼び替えて任せることは避けます。計画と実施内容に食い違いがないか、運行管理者が確認する運用にします。
座学では、本人と教育担当者が点呼での体調報告や遅延時の電話応対を練習します。教習・試験と重ならない日程を組み、理解できた内容を記録します。
トラックは普通免許または準中型免許を取得したら、速やかに特定技能1号への変更許可を申請します。準備期間が残っていても、大型免許の取得まで申請を先送りする扱いではありません。
この工程表と担当分担は、社内管理の一例です。教習期間や予約待ちの日数には、ここで一律の数字を置いていません。人事が利用予定の教習所・免許窓口で空き状況を調べ、取得見込みと満了日を比較します。切替と教習所の選び方は、外国人ドライバーの免許取得ルートにまとめています。
国土交通省Q&Aでは、変更手続き中に中型・大型免許の教習を受けても差し支えないとしています。変更許可後に教習を受けることも可能です。ただし、普通免許を取得して特定技能へ変更しても、中型・大型車を直ちに運転できるわけではありません。
配車担当者は、本人が現時点で運転できる車両と、追加免許が必要な車両を分けます。大型車への配属を予定している場合は、大型免許取得までの教育・配置も計画に含めます。採用全体の工程は、外国人ドライバー採用の流れで整理しています。
期間内に変更許可を申請した場合、審査中は満了後も最長2か月の特例期間で在留できます。特例期間は、審査結果を待つ間、引き続き特定活動として在留できる仕組みです。特例期間は、申請への処分(許可・不許可の決定)が行われた時点か、満了から2か月が過ぎた時点の早い方で終わります。変更許可が出るまでは、運送業務に就けません。
この特例は、免許取得に使える期間を一律に2か月増やす制度ではありません。準備期間内に必要な免許を取得できなければ、特定技能へ変更できず、準備用の特定活動も更新できません。取得が遅れている場合、人事は満了前に本人と申請を担当する行政書士へ状況を共有し、その後の在留手続きを確認します。
社内で共有する工程表には、在留期限、免許取得見込み、変更申請予定、配送開始の条件を記載します。配送開始は、変更許可と予定車両の免許がそろうことを条件にします。日程には、準備期間の上限(トラック6か月)に加え、変更申請の審査(満了後の特例期間は最長2か月)を見込みます。
社内や現場への説明では、教習期間と在留期限を分けて伝えます。免許取得後も、変更許可と免許区分の確認が残ります。
6か月は在留期間の上限です。普通免許または準中型免許を早く取得した場合は、期間を使い切らずに変更申請へ進みます。
申請しただけでは始められません。変更許可が出るまでは準備活動の範囲で過ごし、許可後も予定車両に合う免許区分を確認します。
更新できません。期間内に免許を取得できなければ特定技能へ変更できないため、教習・受験の進捗と在留期限を人事が継続して管理します。