
特定技能の在留資格認定証明書は、交付後に査証申請と上陸申請(日本に入る許可を求める手続き)が続きます。交付日だけで入国日や稼働開始日は決まりません。ドラビザの支援実務に基づく解説として、海外からトラックドライバーを採用する際の期間、書類の分担、期限管理を整理します。
在留資格認定証明書(COE)は、日本で行う活動が上陸の条件に適合することを事前に証明する書類です。対象の在留資格は、一定の技能を持つ外国人が働くための「特定技能1号」で、分野は「自動車運送業」です。日本の免許を入国後に取る場合は、準備用の在留資格を使う工程も加わります。
2026年9月確認時点で、入管庁が公表するCOE交付申請の標準処理期間は受理日から1〜3か月です。この期間には、申請前の書類収集や交付後の査証・渡航は含まれません。社内で日程を共有する際は、審査期間と全体の日程を分けて示します。
査証(ビザ)は、海外の日本大使館・総領事館などの在外公館が発給します。上陸申請に必要です。外務省の案内では、申請内容に特に問題がなければ、受理の翌日から数えて5業務日が標準です。申請の集中や追加確認で長引く場合があり、窓口の予約待ちも別に確認します。
日本の免許を取得済みで特定技能の要件を満たす場合と、入国後に免許を取る場合では、最初に申請する在留資格が異なります。入国後の免許取得には特定活動(特定自動車運送業準備)を使うため、人事は書類収集前に本人の免許を申請担当者へ提示します。
段階 | 担当とやること | 期間・次へ進む条件 |
|---|---|---|
1 COE交付申請 | 企業の担当者や申請取次行政書士が入管へ提出します。 | 標準処理期間は受理日から1〜3か月です。 |
2 COE交付・本人への共有 | 受領担当者が氏名を照合し、本人へ共有します。 | 交付日の記録と査証申請の日程調整 |
3 査証申請・発給 | 本人が管轄の在外公館の指定方法で申請します。 | 申請内容に特に問題がなければ、受理翌日から5業務日が標準です。 |
4 渡航・上陸申請 | 本人が旅券・査証・COEを用意し、空港等で上陸申請を行います。 | COEと査証の双方の有効期間内に上陸申請が必要です。 |
5 在留カード交付 | 本人が空港等で受け取ります。後日交付となる場合は住居地の届出後に原則郵送されます。 | 企業による在留資格・在留期限・就労制限の確認 |
申請取次行政書士は、あらかじめ入管に届け出て、申請を取り次ぐ資格を得た行政書士です。依頼を受け、本人や企業に代わって申請書類を提出します。依頼する場合は、必要書類の案内、申請書類の作成・提出、追加資料への対応、COE受領まで、どこを任せるか契約で決めます。本人の査証申請や企業の渡航手配も含むかは別に確認します。
入管庁の「特定技能」に係る提出書類一覧表は、本人を指す申請人、雇用先を指す所属機関、分野の3区分です。下表は特定技能1号を直接申請する場合を扱います。海外から新たに呼ぶ場合は「在留資格認定証明書交付申請用」を選び、準備用の特定活動は専用の一覧を使います。
一覧の区分 | 準備資料(主なもの) | 企業側の分担例 |
|---|---|---|
申請人 | 交付申請書、写真、特定技能雇用契約書、雇用条件書、1号特定技能外国人支援計画書など | 本人は写真・本人情報、人事は契約・勤務条件、支援担当は計画を用意します。 |
所属機関 | 特定技能所属機関概要書など、企業の状況に応じた資料 | 会社の状況に該当する第2表との照合 |
自動車運送業分野 | 試験・日本語・免許の証明、自動車運送業分野特定技能協議会の構成員資格証明など | 人事が本人の証明書と企業の加入状況を確認します。 |
表は主な資料に限っています。受け入れ実績などで提出の要否が変わるため、申請時は入管庁の最新の一覧で確認します。行政書士へ依頼する場合も、書類ごとの担当と提出予定日を決めます。
支援計画書は、生活や就労を支える法定支援の内容と担当を記す書類です。支援を委託する登録支援機関は、企業に代わって特定技能外国人の支援を行う機関を指します。支援範囲は契約内容によって異なるため、人事は計画と委託内容を照合します。
自動車運送業分野特定技能協議会は、同分野の受け入れ企業などが参加する組織です。協議会の構成員資格証明は、分野に関する書類として扱います。準備用の特定活動を含め、在留資格申請までに加入が必要です。協議会への加入手続きと、特定技能ドライバーの受け入れ要件も確認できます。
申請前には、本人の旅券の氏名と、申請書・契約書の表記を照合します。入管庁は、COEと旅券の氏名表記が異なると、入国までの確認に時間がかかる場合があると案内しています。人事は旅券の写しを本人から受け取り、申請担当者へ共有します。
COEは原則として交付日から3か月以内に上陸申請が必要です。査証を申請しただけでは、この期限への対応は終わりません。人事はCOE交付日、査証の有効期限、入国予定日を同じ工程表に記載します。
COEは電子メールでの受領も可能です。電子メールで受領した場合、査証申請ではメールの提示または印刷物の提出が認められています。本人には受け取った資料と現地窓口の案内を照合してもらい、企業は旅券の返却・査証発給の連絡を受けて渡航日程を調整します。
在留カードは、在留資格や在留期限などを記載したカードです。成田・羽田などの対象空港では、上陸許可時に交付されます。それ以外の空港等では旅券に後日交付の旨が記載されるため、企業は到着時の受領状況を本人に確認します。
本人は住居地を定めた日から14日以内に、市区町村へ住居地を届け出ます。在留カードが後日交付となる人は、その旨が記載された旅券で手続きします。人事は届出予定日を支援担当者と共有し、カードの郵送先になる住居を確認します。
入国後に日本の免許を取る場合は、特定活動(特定自動車運送業準備)を検討します。これは免許取得など、特定技能への移行準備のための在留資格です。最初から特定技能として申請する場合と必要書類が異なるため、申請担当者は準備用の一覧を使います。
トラックの準備期間は最長6か月です。普通免許または準中型免許を取得したら、速やかに特定技能1号への変更許可申請を行います。変更許可と予定車両に必要な免許区分(運転できる車両の種類・大きさの区分)がそろってから運送業務に就きます。人事は免許取得・変更申請・変更許可・運送業務開始を別々の工程にし、審査の進捗に合わせて予定を更新します。
免許取得が遅れた場合の期限や、準備中にできる業務は、特定自動車運送業準備の期間と手続きで確認できます。
稼働予定日の6か月前までを目安に相談・書類収集を始め、入国後に免許を取得する場合はさらに早めます。免許取得後も変更許可の審査が残るため、人事は許可までの見込みを申請担当者と確認して稼働予定日を調整します。採用全体の順序は、外国人ドライバー採用の流れで整理しています。
ドラビザの支援工程では、相談・要件設計と募集、書類収集、COE審査(受理日から1〜3か月)、査証・渡航、入社前教育を含めて相談から稼働まで標準4〜6か月ですが、個別の状況により前後し、入国後の免許取得と変更許可までの期間も別途見込みます。
交付後も査証・上陸の審査があり、入国日は審査の進捗に応じて調整します。書類の受け渡しと期限管理では、次の3点が判断の基準になります。
COEだけでは入国できません。在外公館での査証発給と、日本到着時の上陸審査が必要です。人事はCOE交付と査証発給を別の進捗として記録します。
紙のCOEは、査証申請と上陸申請で写しの提出も可能です。本人が利用する在外公館の提出方法を確認し、判読できる写しを共有します。
原則として、交付日から3か月以内に日本で上陸申請を行うための期限です。査証申請日だけを期限内に収めても足りません。渡航延期が決まった時点で、企業は入国予定日とCOE・査証の有効期限を照合します。