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特定活動9号インターンシップ運送会社の受け入れ条件

2026.10.09 公開読了目安 7分
岡嶋 俊哉
監修: 行政書士 / 株式会社ドラビザ 相談役 岡嶋 俊哉
行政書士として就労系・身分系の在留資格申請と運送業の許認可を担当

特定活動9号のインターンシップは、外国の大学の学生を、教育課程の一部として有給で受け入れる制度です。大学と企業の契約、専攻に関連する実習、指導体制が必要です。運送会社が受け入れを検討する際の対象者、期間、報酬、実習内容を整理します。

在留資格「特定活動(告示第9号)」は、日本で認められる活動を定めた告示に基づく資格です。配送の欠員を学生で埋める計画には使えません。人事はまず、相手先の大学の授業内容と自社で教えられる内容を照合し、教育として成立するかを判断します。

特定活動9号の対象者と受け入れ期間

対象は、外国の大学で学位が授与される課程に在籍する学生です。日本の大学に通う留学生のアルバイトとは、必要な手続きが異なります。

学位課程の学生と、大学との契約が前提になる

学位とは、課程を修了した際に授与される学士・修士などです。対象には短期大学・大学院も含まれますが、通信教育の課程は含まれません。本人は日本への入国時に18歳以上である必要があります。

大学と受け入れ企業は、インターンシップの契約を締結します。実習で得た知識や経験が、単位の取得など学業の一環として評価されることが条件です。人事は大学から在学証明書、承認書・推薦状、教育課程との関係が分かる資料を集めます。

期間は1年以内、かつ過去の実施期間を通算して大学の修業年限の2分の1以内です。修業年限は、その課程を修了するために定められた年数です。本人が入学してから経過した年数とは別のものです。大学の修業年限を示す資料と、過去に日本でインターンシップを行った在留歴を照合します。

有給か無給かで在留資格が変わる

9号は、受け入れ企業から報酬を受ける活動が対象です。日本の大学等に在籍せず、海外の大学から来日する学生について、入管庁は次のように案内しています。

報酬

活動期間

該当する在留資格

有給

1年以内(通算で修業年限の2分の1以内)

特定活動9号

無給

90日超

文化活動

無給

90日以下

短期滞在

無給で90日を超える場合の文化活動は、報酬を伴わない学術上の活動として受け入れる資格です。90日以下なら短期滞在になります。どちらも無給ですが、専攻との関連や指導体制などの条件があり、国籍等に応じた入国手続きも必要になります。

運送会社ではどこまで業務を任せられるか

ここでは、学生本人に運転させない倉庫・事務・同乗研修を、実習計画の検討例として挙げます。業務名だけで受け入れの可否は決まらず、大学の教育課程との関係で判断します。

実習の場面

大学と検討する学習内容

計画に書く判断基準

倉庫での実習

入出庫の記録を比べ、在庫の差が生じる原因を学びます。

物流管理などの専攻と結び付け、改善案を評価します。

事務所での実習

配車表や配送実績を使い、輸送の段取りを学びます。

入力作業だけにせず、計画と実績の差を説明できるか確かめます。

助手席への同乗

納品時の確認、荷物の受け渡し、運行中の連絡を見学します。

本人は運転せず、見学後の記録で理解度を評価します。

仕分けなど同じ作業の反復が主な内容で、大学での学びに役立つと認められない活動は、9号の対象外です。倉庫内で行う実習にも、専攻との関係、学習目標、評価方法が必要です。会社は指導に使う時間を確保し、学生の処理件数だけで成果を測らない計画にします。

この受け入れでは、学生を配送の運転要員に組み込みません。将来、特定技能で運転業務を任せるには、予定車両に対応する日本の運転免許が必要です。9号で認められる活動と免許が要る業務は分けて考え、同乗研修の延長で運転を任せる計画は立てません。

報酬を払って働いてもらう場合の労務管理

企業の指揮命令の下で業務に従事し、労働の対価として報酬を払う場合は、労働関係法令が適用されます。教育目的の実習でも、労働者としての保護は必要です。入管庁のガイドラインは、労働基準法や最低賃金法などを守る必要があるとしています。

人事は、賃金、労働時間、休憩、休日を労働条件の書面に記載します。住居費などを差し引くなら、控除する費目と金額、費用の負担者を本人に示し、合意内容を残します。本人が定期的に負担する費用は、実費に相当する適正な額とします。報酬という名称だけで判断せず、活動の実態に応じた法令の適用を労働基準監督署等に確認します。

大学との契約から実習終了までの準備

企業と大学は、実習場所、学習内容、指導担当、大学への報告方法を受け入れ前に決めます。人事は下記の順に資料をそろえ、活動内容を示す計画と契約書の記載を一致させます。

  1. 候補者を決める前に、企業と大学が専攻・履修科目と実習内容を照合します。大学が、取得する単位や卒業要件への位置付けを説明できるかが判断基準です。
  2. 契約時に、企業と大学が目的、期間、報酬、控除、保険、旅費の負担、報告、中止の条件を決めます。本人が契約内容を理解していることも必要です。
  3. 申請前に、企業が責任者と指導員を選びます。指導員には、実施事業所に所属する常勤の役員・職員で、対象業務の経験が1年以上ある人を選任します。責任者との兼任は可能です。
  4. 入国に向けて、人事が大学・本人の資料と企業側の計画をまとめます。在留資格認定証明書交付申請は、入国前に活動の適合性を審査する手続きです。入管庁の書類一覧で不足を確かめ、申請を行政書士に依頼する場合は、その行政書士と分担します。
  5. 実習中は指導員が計画に沿って理解度を評価し、企業が大学に結果を報告します。実施状況や評価結果の報告書は、終了後も最低3年間保存します。

大学との契約があっても、指導できる人数を超えて募集する計画にはできません。人事は常勤職員数と指導体制を基に、入管庁ガイドラインの受け入れ人数の目安と照合します。夜勤やシフト勤務を組む場合は、必要性とその時間帯の指導体制も説明する必要があります。

終了後に特定技能で採用する場合は別の審査が必要

インターンの修了だけでは、特定技能の要件を満たしません。トラック運転者として採用するなら、特定技能1号「自動車運送業分野」(一定の技能を持つ外国人が働くための在留資格)の要件を別に満たします。

本人は、運送の知識・技能を確かめる自動車運送業分野特定技能1号評価試験のトラック区分に合格する必要があります。日本語は日本語能力試験N4以上の合格、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT‑Basic)で確認します。JFT‑BasicではA2.2(A2)の判定、つまり総合得点200点以上が必要です。

日本の運転免許に加え、企業側の受け入れ要件も満たし、必要な在留資格の手続きを経て運送業務に就きます。人事はインターンの終了日と採用後の業務開始日を分けて管理します。詳しい順序は外国人ドライバー採用の流れで、企業と本人の条件は特定技能ドライバーの受け入れ要件で確認できます。

まとめ

最初にそろえる資料は、大学の教育課程、本人の在学情報、自社の実習計画です。

ドラビザでは、特定活動9号インターンシップの受け入れ支援も行っています。

よくある質問

無給での受け入れや国内の留学生は、9号と手続きが異なります。免許取得の準備用資格とも区別します。

無給でも特定活動9号を使えますか

9号は報酬を伴う活動が対象です。海外の大学生を無給で受け入れる場合、90日超は文化活動、90日以下は短期滞在が該当します。

日本の大学に通う留学生にも9号が必要ですか

日本の大学に通う留学生は別の扱いです。有給の場合は、本人の状況に応じた手続きを確認します。代表的なものが、現在の在留資格で認められた活動以外の就労を許す「資格外活動許可」です。

免許取得のための特定活動と同じ制度ですか

異なります。特定活動(特定自動車運送業準備)は、特定技能で働くために日本の免許取得などを進める資格です。対象者や期間は運送業の準備期間に使う特定活動で説明しています。

岡嶋 俊哉
この記事の監修者
岡嶋 俊哉おかじま・しゅんや
行政書士 / 株式会社ドラビザ 相談役

2015年より行政書士として活動。行政書士法人の役員として、就労系・身分系の在留資格申請を主軸に、貨物運送業をはじめとする各種許認可申請に対応。特定技能制度を活用した外国人材の受入れ支援に多数の実績を持つ。2024年より株式会社ドラビザの相談役として、運送業界における外国人ドライバーの採用・定着支援に取り組んでいる。

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