
自動車運送業分野には、2026年9月15日時点で特定技能2号の設定がありません。今後の2号追加について、国土交通省は「現時点では未定」と回答しています。1号との違い、2号が設定された分野、採用計画を見直す際の確認点を整理します。
特定技能は、人手不足の分野で外国人が一定の技能を生かして働くための在留資格です。在留資格とは、日本で認められる活動などを定めた資格を指します。運送会社がドライバーを採用する場合は、現在使える特定技能1号「自動車運送業分野」の要件を基に検討します。
特定技能によるトラック・タクシー・バスの受け入れは、現在1号で行います。2号の制度自体はありますが、自動車運送業で使える段階にはありません。
国土交通省の「特定技能Q&A」Q22は、自動車運送業への2号追加の予定を問う項目です。2026年9月15日に確認した時点で、回答は「現時点では未定です」でした。
「今は2号がない」という制度の現状と、「将来も追加されない」という予測は区別します。募集資料に「今後2号へ移行予定」と記載する根拠は、現在のQ22にはありません。募集資料で制度が変わる可能性に触れる場合も、追加は未定と明記します。
2号の発表を待たなくても、本人と企業が1号の要件を満たせば受け入れを進められます。本人には評価試験、日本語能力、日本の運転免許などの要件があります。企業側にも事業、認証、支援体制などの条件があります。それぞれの中身は特定技能ドライバーの受け入れ要件にまとめているので、募集前に自社の状況と照らし合わせます。
採用日程は、1号で必要な試験・免許・在留資格申請を基に組みます。2号への移行日を仮置きして、継続雇用の期間を延ばす計画にはしません。募集から稼働までの担当と工程は、外国人ドライバー採用の流れにまとめています。
特定技能2号は、熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。通算在留期間(その在留資格で在留した期間の合計)の上限がなく、要件を満たせば配偶者・子の帯同が認められます。帯同とは、家族を日本に呼び寄せ、一緒に暮らすことです。
比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
求められる技能 | 相当程度の知識や経験を必要とする技能です。 | 熟練した技能です。 |
通算在留期間 | 原則として上限5年です。 | 上限はありません。更新は必要です。 |
家族の帯同 | 原則として認められません。 | 要件を満たせば配偶者・子が対象です。 |
自動車運送業での利用 | 要件を満たせば受け入れられます。 | 現在は設定がなく、追加は未定です。 |
更新回数に上限がない2号でも、更新手続きは必要です。また、家族の帯同は要件付きなので、2号を取得すれば家族全員を呼べるという説明は不適切です。
出入国在留管理庁の「特定技能総合支援サイト」で、2026年9月15日に確認した2号の設定分野は次の11分野です。この一覧には自動車運送業は含まれていません。個々の業務が2号の対象になるかは、分野内の業務区分も確認する必要があります。
運送会社が混同しやすいのは、2号が設定されている「自動車整備」です。自動車整備の2号は、他の要員への指導を行いながら車の点検・整備などに従事するための資格です。自動車整備の2号を、配送ドライバーとして働き続けるための資格には使えません。
人事が制度変更を調べる際は、国土交通省の分野別ページと出入国在留管理庁の特定技能情報を確認します。「追加の方針」と「申請を受け付ける条件・時期」を分けて読み、確認日を社内資料に残します。
国土交通省の分野別ページには、Q&A、制度概要、分野別運用方針、運用要領が掲載されています。運用方針・運用要領は、その分野の対象業務や受け入れ条件を定める資料です。検索結果の見出しだけで判断せず、自動車運送業の2号について書かれた資料か、本文を確かめます。
次の表は、制度変更が発表された場合に人事が使う確認手順の例です。現時点で追加が決まっているわけではありません。本人の条件を照合する段階では、本人から必要な資料を集めます。
確認する時点 | 人事が読む内容 | 採用計画への反映基準 |
|---|---|---|
新しい発表を見つけたとき | 対象分野、1号・2号の別、決定内容を確認します。 | 自動車運送業の2号に関する決定かを判別します。 |
要件が公表されたとき | 対象業務、試験、実務経験などの条件を読みます。 | 本人の業務歴や証明書類と照合できる段階かを確認します。 |
申請案内が出たとき | 受付開始日と提出書類を確認します。 | 本人の在留期限と準備期間を照合し、申請日程を検討します。 |
他分野の2号に必要な試験や経験年数を、そのまま将来の運送業の条件にはできません。例えば、大型免許の取得や社内での昇格が運送業の2号に移るための確定要件だと説明する根拠はありません。そのため教育計画は、将来の2号の条件を先取りせず、現在担当する車両や運行業務に必要な能力を基に作ります。
2号追加を前提に、通算5年を超える継続雇用を約束することは避けます。面接や条件説明では「現在は1号での採用を検討しており、自動車運送業への2号追加は未定です」と伝えます。本人の家族帯同の希望についても、今の資格で認められる範囲を説明します。
人事は募集開始前と雇用条件の説明前に、資料に書いた在留資格の名称と、制度を確認した日付が古くなっていないかを見直します。1号の通算期間には、他分野の1号で在留した期間も含まれます。そのため、採用から5年間働けるとは限りません。通算上限を迎える際は、他資格への変更、帰国、後任採用を検討します。それぞれの考え方は特定技能の5年とその後で整理しています。
自動車運送業の採用計画は、現在の1号の要件を基に作ります。2号の情報を共有する資料には、対象分野と確認日を併記します。
2号の有無は、運転経験の長さや社内の評価だけでは決まりません。現在設定されている分野と、そこで認められる業務を基に判断します。
勤続年数だけで2号に変わることはありません。現在、自動車運送業には2号の設定がないため、通算上限に達した後に同分野の2号へ移る前提では採用計画を立てられません。
自動車整備の2号は、点検・整備などの業務が対象です。配送を主な仕事として続けるために、分野名だけを自動車整備へ変更しても認められません。
2026年9月15日に確認した国土交通省Q&Aでは未定です。開始年や試験日程を推測せず、国土交通省と出入国在留管理庁の公表内容を確認します。